NEOISM

思想・流儀・価値観を綴るブログ

南米放浪記~10.18、レティシアをゆく~

 

宿で盗難が発生して色々あった翌日、10月18日。

 

ブラジルとペルーとコ口ンビア、三国の国境が近くを通る街・レティシア。

この日は、ブラジルとコ口ンビアの国境を越えるつもりだった。

 

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そして出来るなら国境線で反復横跳びを実行し、1分間ででもっとも両国に入国したホモサピエンスになろうと思っていた。

 

ベッドに座り、文章を書いた。

同室のPiaは誰かと長く電話をしている。

時折その声は涙声になった。

彼女の母国語であるデンマーク語だったので内容は分からないが、昨夜の件についてなのだろうか。

 

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体調は悪かったとはいえ、早速、午前中からレティシアの街を歩いた。

いい天気だ。ゆえにかなり暑い。

 

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宿泊施設や土産物屋のあるゾーンから離れて、田舎道を歩いた。

そこにある家はいずれも、川の増水時のために組まれた木材の上に家が乗っかっており、玄関が高い位置にあった。

 

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国境に近づいたとき、上半身裸の垂乳根の老婆が背中を曲げて手すりなどに掴まりながらゆっくりと現れた。

彼女に声をかけられる。その桶で水をいっぱい組んでくれ、と。

言われた通りに、水たまりの濁った水を汲んで渡した。

 

これが彼女のトイレのようだ。

近くに人がたくさんいるのに全く憚ることなく、私が地面に置いたその桶に跨ろうとしていた。

 

70-80歳ほどになるのだろうが、そのような齢にもなると、そのようなシーンを見られることはどうとも思わないのかもしれない。

昔は美人だったのだろうか。

いや、それはないか。昔綺麗だった人はプライドがあるだろう。

いや、それが何十年も維持されるのかなんて分からないけど。

 

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木材の骨組みで下から支えられた家々と、それを繋ぐ廊下の役割を果たす橋のような道から成る、横から見た蟻の巣の断面図のような住宅街を歩いた。

なんだか武家屋敷ゾーンのような情緒がある。

 

飼い犬が反応して吠えてくる。地元の人がそれをなだめる。

住宅街の犬の多くは排他的だ。

 

 

住宅街を抜けて、喉の渇きを癒しながら歩いていると、老人が空のタンクを持ってゆっくりと小道を歩いていくのが見えた。

その細い道は、途中から木材になり、それから坂になった。

 

彼のあとについていくと、私はブラジルにいた。

地図アプリがそれを示していた。街の名はTabatinga。

 

街を歩くと、表記はだいたいポルトガル語。やはりここはブラジルのようだ。

 

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私は国境越えは手続きが要るものと思っていたので、あっさり入れてしまったことが意外だった。

 

LeticiaとTabatingaを繋ぐ一番太い通りまで行くと、人も車も自由に行き来していた。

私はてっきり、入管オフィスがあって、手続きが必要なのかと思っていたが、全くそんなことはなかった。ネットで得た情報が間違っていたのか、情勢が変わったのか。

 

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国境。右側はブラジルでポルトガル語表記。左側はコロンビアでスペイン語表記。

 

反復横跳び動画を撮ろうと思っていたが、体調不良により気分が乗らず、結局宿に帰ることにした。

 

 

歩いていると、突然横に、バイクに乗った大人しそうな若い男が現れた。

どこに行くの?と尋ねてきたので、家に帰るところと答える。

「乗せてあげるよ」と言うが、宿は近くにあるし、カネを払わされたくないので断った。

しかし「僕は警察だから安心してほしい」と言う。警官の制服を着ているならまだしも、バリバリの私服だ。

 

それでも遠慮すると、「さっきあなたを見かけて気になった、あなたのことを知りたい、この後何するの?夜22時までは時間があるから一緒に出かけないか」と誘ってきた。

アジア人好きか、犯罪目的か、ゲイかな、と思いながら即座に断ると、「あなたとセックスができればと思う」とぶっちゃけてきた。ゲイで確定した。

 

俺はゲイじゃないから無理だと伝え、尾行に気をつけながら宿に入った。

彼はフツメン未満(私の感覚的に)だったが、イケメンであろうが女であろうが、そんなものは却下だ。

 

反復横跳びは明日にすることにした。

体調不良は気力を萎えさせる。

しかし体調がどうであれ、一度やると決めたのだから、実行したい。

そうやってハードルを越えていくことを繰り返す中で、人は成長していく。

ここで逃げたら自分はまだまだだ。って、何と戦っているのだろう。あ、自分自身か。

 

 

16時頃に出かけて、お土産を探した。

何軒もハシゴして、ボゴタの友人らへのプレゼントを購入。

何をあげれば喜んでくれるだろうと考えると結構難しい。かなり時間がかかった。

 

前まではお土産はあまり買わない派だったが、感謝の対象が増えたため、方針を変更した。

彼ら彼女らへの気持ちをカタチにするのも、時には良いだろう。

 

それからはしんどくて出かけることもなく、21時過ぎには眠りに就いた。

同室のPiaも体調不良で、同じくらいの時間に寝ていた。

 

2019.10