NEOISM

NEOが己の思想・流儀・価値観を綴るブログ

日本昔話①

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画像:https://www.youtube.com/watch?v=KD29EXFQrB0

 

昔々、あるところに、たわわとした大きな果物が生るよりほかに資源のろくにない小島がありました。

 

時は16世紀半ば、戦国の世。

その島の存在は当時まだほとんど知られることはありませんでした。

 

覇権を目指す若き信長公が、今川義元率いる軍勢を桶狭間にて破ったことが話題となっていた頃、巷ではそんな戦ごとよりも、ある一連の事件が人々の関心を集めておりました。

 

今でいう関東地方を中心に、集落が一夜にして消滅するという怪事件が次々と発生していたのです。

 

前日まで元気に生活していた村人たちの多くは変死体で見つかり、身体の一部が欠けた者も多数おりました。

事件は必ず満月の夜に、小さな集落で起こったのでした。

集落の財産の多くは強奪され、人々は山賊の仕業だとも、野獣を操る野党の仕業だとも噂しました。

 

その怪奇現象は、時の戦国大名たちの耳にも入ることになったのでした。

領土内の百姓たちがこうも次々と集落ごと消滅してしまえば、財源である年貢が確保できなくなります。

 

ある国で消滅した集落が三つを数えた頃、とうとう放っておけないと感じたそこを治める大名は、この異常事態の真相を把握するために、被害に遭った集落から僅かに生き残った村人たちを城に招き、事情を話させることにしました。

 

「村人たちを手際よく殺戮する者を見たのです」

「泣き叫ぶ赤子も若い女も、容赦なくやられてしまいました」

「それはまるで、鬼のようでございました」

 

生き残った者たちは口々に証言しました。

 

「にわかに信じられたものではないが、村人たちが嘘をついているとも思えぬ」

 

大名は、踏み込んだ調査を行うことにしました。

 

調査開始から間もなく、生き残った与助という男を除き全滅したはずのとある小集落Bに、死体が一つ足りないことが分かりました。

 

残された戸籍台帳を調べると、その一人は、集落の中で"桃太郎"と呼ばれていた少年であることが判明したのでした。

 

続く・・・